蓄電池導入にかかる価格は？太陽光発電と同時導入がお得
蓄電池の導入費用は設置方法によります。既存住宅に後付けする場合、価格は約150～250万円ですが、太陽光発電と同時に導入すると300～400万円で抑えられます。このセット導入には工事費削減や災害時の安心感などの利点があります。
補助金制度や自治体の支援も活用し、早めの申請が重要です。また、停電時の機能や蓄電容量、寿命も事前に検討する必要があります。
目次
蓄電池を導入する際にかかる費用は？
蓄電池を導入する際には、設置方法によってかかる費用が大きく変わります。
◇蓄電池を後付けした場合
既存の住宅に後付けで蓄電池を導入する場合、機器や設置工事にかかる費用が高くなる傾向があります。蓄電池本体の価格は、一般的に100～200万円程度ですが、設置費用や配線工事のコストも加わると、トータルで150～250万円程度が相場とされています。
また、既存の電力システムとの連携を考慮した場合、場合によっては別付でコントローラの導入や配線工事が必要となり、追加費用が発生するため注意が必要です。
さらに、蓄電池の設置工事では、停電時の対応やシステムの安全性も考慮する必要があるため、専門の工事業者への依頼が必要です。
◇太陽光発電と同時に導入した場合
太陽光発電と同時に蓄電池を導入する場合、システムを一体的に設置できるため、コストを抑えやすい利点があります。太陽光発電システムは設置当初から蓄電を前提にするため、蓄電池との相性が良く、効率的にエネルギーを活用できます。
蓄電池の導入費用に加え、太陽光パネルの設置費用（200万円程度）が必要ですが、これにより電力の自給自足率が高まり、長期的に電気代を抑える効果も期待できます。
また、太陽光発電システムと蓄電池を同時に設置する際は、セットプランによる価格割引や国・地方自治体の補助金の利用が可能です。補助金の適用により、セット価格で300～400万円ほどで導入できるケースもあります。
太陽光発電と蓄電池をセットで導入するメリット
太陽光発電と蓄電池をセットで導入することには多くのメリットがあり、長期的に見ても費用対効果が高まります。
◇工事代が安く済む
太陽光発電と蓄電池を同時に設置することで、工事費用が安く済む点は大きなメリットです。別々に設置すると工事費が二重に発生する可能性がありますが、一括工事であれば、屋根工事や配線作業、施工時間などの面で効率化が図れるため、全体の工事費用を抑えられます。
◇パワーコンディショナが1台で済む
太陽光発電と蓄電池をセットで導入する際、パワーコンディショナは1台で済みます。パワーコンディショナは直流電力を家庭で使える交流電力に変換する装置で、太陽光発電と蓄電池それぞれに設置する場合は、二重に購入が必要になりますが、セットで導入すれば1台で対応できます。
太陽光発電と蓄電池をセットで導入することにより、初期コストが抑えられるだけでなく、パワーコンディショナのメンテナンス費用の削減も可能です。
◇景観を保てる
太陽光発電と蓄電池を一緒に設置することで、外観や景観に与える影響が少なくなります。設置箇所を一か所にまとめることで、屋外設備がコンパクトに収まり、住宅の美観が損なわれにくくなります。
特に外部の配線や電気設備を一度にまとめて設置できるため、後付けでの蓄電池導入と比べて外観が整いやすく、全体の統一感を保つことが可能です。
◇災害時も安心
蓄電池をセットで導入しておくと、災害時に停電が発生しても安心です。太陽光発電で発電した電力を蓄電池に貯めておけるため、災害時にはその電力を使って電化製品や照明を賄うことが可能です。
特に防災対策として考える場合、蓄電池はライフラインが停止した際の非常用電源として重宝します。
また、災害で停電が長引く場合でも、昼間に発電した電力を夜間に利用することができ、日常生活の維持に大いに役立ちます。
蓄電池の導入時は補助金を活用しよう
画像出典：フォトAC
蓄電池の導入にはまとまった費用がかかるため、国や自治体が提供する補助金を活用することで、初期コストを抑えることが可能です。
◇DR補助金の活用
DR補助金は、エネルギーの需要と供給のバランスを安定させることを目的とした補助金です。
具体的には、電力の需要が高まるピーク時に蓄電池の充電を止め、余剰電力の供給や電力削減に貢献することで、経済的なインセンティブを受けられます。
電力の供給が不安定になることが多い災害時にも役立つほか、エネルギー効率の向上にもつながるため、一般の家庭でも蓄電池の価値をさらに高める手段のひとつです。
DR補助金は国の政策としても推奨されているため、申請時に蓄電池がDR対応であることや一定の条件を満たすことが重要です。
対応する製品や登録条件については、各メーカーや販売店で案内していることが多く、事前の情報収集をしっかり行うと、補助金をスムーズに活用できます。
また、補助金の適用額や申請期間が毎年異なるため、制度改定に注意が必要です。
◇各自治体の補助金
地域によって異なる自治体の補助金も、蓄電池導入の際には確認すべき支援策です。
多くの自治体では、蓄電池の設置や太陽光発電との組み合わせで補助金が提供されており、エネルギー自給率を向上させるための地域支援として展開されています。
たとえば、東京23区をはじめ、各地の地方自治体では5万～20万円程度の補助があることが一般的です。自治体の補助金の申請方法は、居住地域によって異なるため、地域の公式サイトで最新情報をチェックすることが重要です。
さらに、自治体の補助金は予算に限りがあり、早い時期に申請しないと締め切りになる場合もあります。そのため、蓄電池を導入する際には、早めに補助金申請を行うためのスケジュールを立てなければなりません。
蓄電池を導入する際のチェックポイント
蓄電池を導入する際には、将来的な利便性とコストパフォーマンスを考慮し、いくつかのポイントを事前に確認しておくことが重要です。
ここでは、導入時に注目すべき主な項目を紹介します。
◇停電時の仕様
蓄電池が停電時にどのように機能するかは非常に重要なポイントです。多くの蓄電池は停電時に自動的に稼働して電力を供給しますが、供給できる範囲や持続時間は製品によって異なります。
例えば、停電時にどの回路や電化製品に電力を供給できるか、どれだけの時間稼働するかを確認することで、万が一の際に不便なく使用できるように準備できます。
また、冷蔵庫や照明など必要最低限の電化製品に限定して供給を設定することで、蓄電池の電力を効率よく使用することも可能です。
◇蓄電容量
蓄電池の容量は、日常の電力需要や使用目的に応じて適切なものを選ぶことが大切です。
例えば、夜間の電力消費を蓄電池で補いたい場合や、電気自動車への充電も併せて行いたい場合には大容量のものを導入する必要があります。
標準的な家庭では、5〜10kWh程度の容量が選ばれることが多いですが、家族構成や使用する電化製品の種類によって最適な容量が変わるため、生活スタイルに合わせた選定が重要です。
◇寿命
蓄電池の寿命は性能と費用対効果に大きく影響するため、導入前に確認しておくべきポイントです。
一般的に、リチウムイオン電池の寿命は10〜15年程度とされていますが、使用頻度や充放電サイクル、環境によって異なります。寿命が長い蓄電池を選べば、長期間の使用が可能であり、長期的なコスト削減が期待できます。
蓄電池の性能が低下すると、蓄電容量も減少するため、メーカーの保証内容や対応サポートについても事前に確認すると安心です。
蓄電池の導入費用は設置方法によって異なります。既存の住宅に後付けする場合、蓄電池本体の価格は約100～200万円で、設置工事を含めると150～250万円が相場です。
新たに太陽光発電とセットで導入すると、効率的にコストを抑えられ、補助金を活用することで300～400万円で導入可能です。
また、同時設置による工事費の削減や景観の維持、災害時の安心感などのメリットもあります。導入時には、補助金制度や自治体の支援も確認し、早めの申請が重要です。
さらに、停電時の機能や蓄電容量、寿命についても事前に検討する必要があります。
